意外と知られていない|ワインの賞味期限について

意外と知られていない|ワインの賞味期限について

ワインを購入した際、それを飲み忘れていて数ヶ月放置してしまっている・・・という方もいるでしょう。
そんな時、気になるのがワインの賞味期限です。
ワインを購入する際も、「すぐに飲まないけどどれだけ持つのか?」というところも気にしている方もいます。
実際、ワインの賞味期限はどうなっているのでしょうか?

ワインには賞味期限が存在しない

そもそも、ワインに賞味期限があるのかという問題です。
ビールや一部の日本酒には、賞味期限がついている場合がありますが、実はワインは賞味期限が存在しないのです。
参考;

赤ワインはポリフェノールがたっぷりと含まれており、これらが殺菌作用を発揮して簡単に腐敗することはありません。
白ワインにおいても、有機酸などさまざまな酸が含まれているので、それらが関係して腐敗しにくくなっています。

基本的に、ワインはpHが低い酸性のお酒であるため、簡単に菌が増殖しません。
50年ものとか、そういったものがあるお酒でもあるのはこういった理由があるからなのです。

美味しく飲める目安

ワインに賞味期限が無いということは、”どれだけ放置しても美味しく飲める”と勘違いしてしまう場合もあります。
まず、ワインはそれぞれに飲み頃というものが存在しており、それが消費期限と考えた方が良いこともあります。

では、開封前と開封後のワインについて考えていきましょう。

未開封ワインの場合

例えば、フレッシュ&フルーティーな白ワインがあったとした場合、そういったワインはできれば製造1年以内に飲んだ方が本来の美味しさを味わうことができます。

仮に、数年経ってしまうとワイン中に溶存している酸素などの化学変化が進んでいき、褐色化して酸味を感じるような味わいに変化していきます。
腐っているわけではないのですが、飲んでも美味しくないワインになってしまう、ということなので注意が必要です。

一方、カベルネソーヴィニョンなどを主体とした、タンニンがしっかりとしている赤ワインの場合、早めに飲み過ぎても飲みにくい場合があります。
大体、市場に並んでいるこういったタイプの赤ワインは製造から2年後というのが一般的ですが、それでも飲みにくいものは少なくありません。

そんな時、5年間くらい熟成させておくとまろやかな味わいになるでしょう。
しかし、あまりに放置しておくと、香りなどに変化が起こったり、タンニンが重合したりしてコクが無くなってしまいます。

ワインの場合、賞味期限というよりは、美味しく飲める目安として購入した方が良いかもしれません。

開封済みワインの場合

ワインは、美味しく飲める目安さえ越えなければ問題ない、とお伝えしました。
しかし、開封済みのワインにおいては多少注意が必要となります。

まず、ワインが腐敗してしまう場合、外部からの細菌感染によってそうなります。
開封した場合、何らかの理由で外からいろいろな菌が入り込む可能性は十分にあり得るため、開封後のワインはできるだけ早く飲んでしまった方が良いと考えられます。

さらに、美味しく飲むためにも、開封後は即時飲む必要があります。
一度、開封すれば当然ながら空気中の酸素がワインに触れます。
そうなると、さまざまな成分が酸素と結合してしまい、結果的に美味しくないワインとなってしまうのです。

味が変わったワインは調理酒に使うのがおすすめ

腐敗してカビなどが生えたワインは別ですが、飲み頃を過ぎたり、酸化してしまい美味しくなくなったワインであれば、まだまだ使い道があります。

例えば、調理用に使用するという方法です。
赤ワインは、肉の旨味を閉じ込めるので、ステーキの下ごしらえや赤ワインの牛ホホ煮込みがおすすめです。

また、トマトソースやデミグラスソースにコクを与える目的で利用してもよいでしょう。

白ワインは、ボンゴレなどフレッシュな香りを与えたい時に利用しましょう。
クリームソースや、魚の生臭み消すために使用するなど、用途は多くあります。
捨てるのではなく、飲めないワインは調理用として利用してみてください。